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サロン経営改善|平均利益率を上げる売上管理の手順

「毎日忙しく働いているのに、なぜか手元にお金が残らない…」

「サロンの経営を改善したいけれど、何から手をつければ良いかわからない…」

そんな悩みを抱えるサロンオーナー様は少なくありません。

サロン経営の成功の鍵は、実は日々の「売上管理」に隠されています。

この記事では、専門用語を一切使わず、サロン経営の初心者の方でもすぐに実践できる経営改善の具体的なロードマップをご紹介します。

ご自身のサロンの現状を正しく把握し、業界の平均利益率を超えるための具体的なステップを一つずつ解説していきますので、最後まで読んでいただければ、明日から何をすべきかが明確になるはずです。

目次

まず結論!サロン経営の改善は現状把握と正しい売上管理から始まる

サロンの経営を本気で改善したいなら、最初に取り組むべきことは、複雑なマーケティング手法や高額なコンサルティングではありません。

すべての土台となるのは、ご自身のサロンの現状を数字で正確に把握し、正しい売上管理を実践することです。なぜそれが最も重要なのか、その理由を具体的にお伝えします。

コラム:なぜ「どんぶり勘定」は危険なの?

「どんぶり勘定」とは、日々の売上金が入ったレジの現金から、そのまま材料費や雑費などの経費を支払ってしまうような、大雑把なお金の管理方法のことです。

一見、手元にお金があるように見えても、月末に家賃やクレジットの支払いをしたら現金が足りなくなった…という事態に陥りかねません。

これでは、サロンが本当に儲かっているのか、どこに問題があるのかが全く見えず、改善のしようがありません。経営を安定させるには、まずこの状態からの脱却が必須です。

なぜ売上管理がサロン経営改善の第一歩なのかその理由を解説します

サロン経営の改善において、売上管理が最も重要である理由は、それがお店の「健康診断」のような役割を果たすからです。

体調が悪い時に原因も分からず闇雲に薬を飲むのが危険なように、経営も感覚だけで改善しようとするのは非常にリスクが高い行為です。

売上やコストといった経営の数値を正確に把握することで、初めて「どこに問題があるのか」を客観的に知ることができます。

日々の情報を記録し続けることで、これまで感覚でしかわからなかった自店の強みや弱みが、具体的な数字として見えてくるのです。

この数字という客観的な事実に基づいて初めて、的確な改善策を立てることができるため、売上管理こそが経営改善の全てのスタート地点となります。

利益率の平均を知ることがあなたのサロン経営の羅針盤になります

あなたが大海原を航海する船長だとしたら、目的地へ向かうために地図と羅針盤は不可欠です。

サロン経営における羅針盤の役割を果たすのが、「利益率の平均」という指標です。

自分のサロンの利益率が、世間一般のサロンと比較してどの位置にあるのかを知ることで、初めて目指すべき方向が定まります。

もし平均よりも著しく低いのであれば、コスト構造や価格設定に何らかの問題がある可能性が高いと判断できます。

逆に平均を上回っていれば、現在の経営方針が正しい可能性が高いと自信を持つことができます。このように、業界の平均値という基準を持つことで、自店の経営状態を客観的に評価し、具体的な改善目標を設定するための重要な指針となるのです。

あなたのサロンは大丈夫?最初に確認すべき利益率の計算方法と平均値

経営改善の第一歩として、まずは自店の「利益率」を計算してみましょう。

ここでは、誰でも簡単に利益率を計算できる方法と、気になる業種別の平均的な利益率の目安について詳しく解説します。この章を読めば、あなたのサロンの現在の健康状態を正確に診断できます。

コラム:利益と利益率の違いを理解しよう

利益とは、単純に「売上から経費を引いた儲けの金額」そのものを指します。(例:利益20万円)

一方、利益率とは、「売上に対して、利益がどれくらいの割合を占めるか」を示す指標(パーセンテージ)です。(例:利益率20%)

売上が多くても経費がかさんでいれば利益率は低くなります。経営の効率性を見るためには、金額だけでなく「率」で考えるクセをつけることが大切です。

初心者でも簡単!サロンの利益率を正確に計算するための基本の考え方

利益率と聞くと難しく感じるかもしれませんが、考え方は非常にシンプルです。

まず、お客様からいただいた売上全体から、シャンプーや薬剤などの「材料費」、家賃や水道光熱費、広告費などの「経費」をすべて差し引きます。

そうして最終的に手元に残ったお金が「利益」です。そして、この利益が売上全体に対してどれくらいの割合を占めるのかを示したものが「利益率」となります。

計算式は以下の通りです。

利益 ÷ 売上 × 100 = 利益率 (%)

例えば、月の売上が100万円で、経費をすべて差し引いた利益が20万円だった場合、「20万円 ÷ 100万円 × 100」で利益率は20%となります。この数字を毎月記録し続けることが、経営改善の第一歩です。

美容室やネイルサロンなど業種別の平均利益率の目安を大公開

自分のサロンの利益率を計算できたら、次はその数字が良いのか悪いのかを判断するために、業界の平均値と比較してみましょう。

一般的に、個人経営のサロンの場合、営業利益率の平均は10%から20%程度と言われています。

もちろん、これは業種や立地、経営形態によっても少し異なります。

  • 美容室:アシスタントの人件費や比較的多様な材料費がかかるため、10%前後が一般的です。
  • ネイルサロン・まつエクサロン:美容室よりは原価を抑えやすく、15%~25%を目指せます。
  • エステサロン:高額な機器の減価償却費や化粧品原価によりますが、15%前後が目安です。
  • 自宅サロン:家賃や人件費を抑えられるため、30%を超える高い利益率を実現できるケースも珍しくありません。

これらの平均的な数値を参考に、自店の利益率がどのレベルにあるのかを客観的に把握することが、経営改善のスタートラインです。

自分のサロンの利益率を計算して平均と比較する具体的な手順

それでは、実際にあなたのサロンの利益率を計算し、平均値と比較してみましょう。

ここでは、個人経営のネイルサロンA店の先月の実績を例に、具体的な手順を見ていきます。

    1. ステップ1:売上を計算する
      まず、先月の売上金額をすべて合計します。
      例:ネイルサロンA店の売上合計 800,000円
    1. ステップ2:経費を計算する
      次に、その月に支払った経費をすべてリストアップし、合計金額を出します。経費には、材料費、家賃、水道光熱費、通信費、広告宣伝費、消耗品費などが含まれます。
      例:A店の経費合計 680,000円
    1. ステップ3:利益を計算する
      売上の合計から経費の合計を差し引きます。これが先月の利益です。
      例:800,000円 – 680,000円 = 利益 120,000円
  1. ステップ4:利益率を計算して比較する
    最後に、利益を売上で割って100を掛けます。
    例:120,000円 ÷ 800,000円 × 100 = 利益率15%
    ネイルサロンの平均が15%~25%なので、A店は「平均の下限ギリギリ」という立ち位置が分かります。ここから利益率20%を目指す、という具体的な目標が立てられます。

経営改善の土台作り!明日から実践できるサロンの売上管理の基本ステップ

自店の利益率を把握できたら、次はその数値を改善していくための土台となる「売上管理」を始めましょう。

ここでは、誰でも今日から始められる、売上管理の基本的なステップを具体的に解説します。難しいツールは必要ありません。まずは簡単な記録から始めてみましょう。

正確な数字を掴むための日々の売上を記録する簡単な管理方法

売上管理の第一歩は、毎日の売上を正確に記録することです。最も簡単な方法は、ノートや手帳を用意し、閉店後にその日の記録をつける習慣をつけることです。

このとき、ただ総額を記録するだけでなく、以下の項目を分けて記録しておくと、後々の分析に非常に役立ちます。

  • 日付:いつの売上か
  • 現金売上:現金で受け取った金額
  • キャッシュレス売上:クレジットカードや電子マネーなどの合計金額
  • 客数:その日に来店されたお客様の人数

これらを記録するだけで、「売上 ÷ 客数」から「客単価」という重要な指標を計算できるようになります。

この日々の地道な記録の積み重ねが、後々の大きな経営改善に繋がる貴重なデータとなるのです。最初は面倒に感じるかもしれませんが、5分もあれば終わる作業ですので、ぜひ今日から実践してみてください。

売上データから顧客単価やリピート率を把握する管理のコツ

日々の売上記録に慣れてきたら、もう少し踏み込んだ管理に挑戦してみましょう。それは、お客様一人ひとりの施術内容と金額を記録することです。

カルテにメモする形でも構いません。これを続けることで、「どのメニューが人気か」「お客様一人あたり、平均していくら使ってくれているか(顧客単価)」が正確にわかります。

さらに、新規のお客様とリピートのお客様を分けて記録すれば、「リピート率」も算出できます。

例えば、月に100人のお客様が来店し、そのうち80人が以前にも来たことがあるリピート客であれば、リピート率は80%です。これらのデータは、サロン経営の健康状態を示す非常に重要な指標であり、どの部分を改善すべきかを具体的に教えてくれる宝の山なのです。

コラム:サロン経営における最重要指標「リピート率」

新規顧客を獲得するには、広告費など多くのコストがかかります。一方、既存のお客様に再来店していただくコストは、それに比べてはるかに低く抑えられます。

そのため、サロン経営を安定させるには、いかにリピート率を高めるかが生命線となります。一般的に、リピート率が80%を超えると経営が安定すると言われています。まずはこの数字を目標にしてみましょう。

エクセルやアプリを活用した効率的なサロン売上管理テクニック

手書きでの管理に限界を感じてきたら、パソコンのエクセルやスマートフォンのアプリを活用することで、売上管理をさらに効率化できます。

エクセルを使えば、あらかじめ計算式を入力しておくことで、売上金額や客数を入力するだけで自動的に客単価や利益率を計算してくれます。グラフ機能を使えば、売上の推移を視覚的に把握することも可能です。

また、最近ではサロン向けの便利な売上管理アプリも多数登場しています。

顧客管理や予約管理機能と連携しているものが多く、一度入力するだけで売上分析から顧客情報の管理まで一元的に行えるため、大幅な時間短縮に繋がります。

例えば、リクルートが提供する「SALON BOARD」はホットペッパービューティーと連携しており、予約情報が自動で売上データに反映されるため非常に便利です。また、「Bionly」のようなPOSレジアプリは、会計業務と同時に詳細な売上分析や顧客管理が行えるため、多くのサロンで導入が進んでいます。

自分のITスキルや予算に合わせて、これらのツールを導入することも、経営改善を加速させる有効な手段です。

売上データを徹底分析!サロン経営の課題を見つけ出す具体的な改善ポイント

売上データが蓄積されてきたら、次はいよいよそのデータを分析し、経営の課題を見つけ出すステップです。

数字は嘘をつきません。データの中に隠された、あなたのサロンをさらに成長させるためのヒントを一緒に見つけ出していきましょう。

曜日や時間帯別の売上分析から見えてくるサロン経営の改善点

蓄積された売上データを、曜日別や時間帯別に集計してみましょう。

すると、「土日は忙しいが、火曜日の午後はいつも暇だ」「平日の午前中は主婦層の来店が多い」といった傾向が、具体的な数字として見えてきます。

この分析結果は、経営改善のための貴重なヒントの宝庫です。例えば、以下のような改善策が考えられます。

  • 暇な時間帯の活用:お客様が少ない曜日や時間帯に限定した割引キャンペーン(例:平日13時~16時限定20%OFF)を実施する。
  • ターゲットに合わせた施策:主婦層が多い午前中に、時短メニューや子育て応援プランを導入する。
  • コストの最適化:忙しい時間帯が分かっていれば、スタッフのシフトを調整して人件費を最適化する。

このように、データを細かく分析することで、これまで見過ごしていた改善のチャンスを発見できるのです。

メニュー別の売上構成比を管理して利益率の高い人気メニューを特定する方法

あなたのサロンで、本当に儲かっているメニューは何でしょうか。売上が高いメニューが、必ずしも利益率が高いとは限りません。

各メニューの売上と、それに掛かる材料費を正確に把握し、メニューごとの利益額と利益率を計算してみましょう。

これを「売上構成比」として管理することで、どのメニューがサロンの利益に最も貢献しているか一目瞭然になります。

分析の結果、もし売上は高いけれど材料費もかさみ、利益率が低いメニューがあれば、価格設定を見直すか、より利益率の高いメニューをお客様におすすめするような接客の改善が必要かもしれません。

逆に、利益率が高いにもかかわらずあまり注文されていない「隠れ優良メニュー」があれば、それを看板メニューとして積極的にアピールすることで、サロン全体の利益率を大きく改善できる可能性があります。

メニュー別 売上・利益分析表(例)
メニュー 売上 材料費 利益額 利益率
A: カット 200,000円 5,000円 195,000円 97.5%
B: カラー 300,000円 60,000円 240,000円 80.0%
C: 縮毛矯正 150,000円 45,000円 105,000円 70.0%
D: 高級トリートメント 50,000円 5,000円 45,000円 90.0%
例:縮毛矯正(C)は材料費が高く利益率が低い。利益率の高い高級トリートメント(D)の提案を強化する、などの戦略が立てられる。

顧客単価が低い原因を分析し売上アップにつなげる改善策

「お客様の数は多いのに、なぜか売上が伸びない」という悩みは、顧客単価の低さが原因かもしれません。

売上管理データを使って、顧客単価の平均値を計算し、それが低い原因を探ってみましょう。

例えば、ほとんどのお客様が基本のカットメニューしか注文していない、オプションメニューや店販商品の購入が極端に少ない、といった事実がデータから読み取れるかもしれません。

原因が分かれば、対策は明確です。

カウンセリングの際に、お客様の髪の悩みに合わせたトリートメントメニューを「お悩み解決策」として提案する、レジ横に魅力的なポップを添えて新商品を陳列するなど、少しの工夫で顧客単価は改善できます。

データ分析に基づいた具体的な改善策を講じることで、お客様の満足度を高めながら、無理なく売上をアップさせることが可能になるのです。

(※文字数制限のため、以降の大見出しは省略させていただきます。もし完全な記事が必要な場合は、分割して出力いたしますのでお申し付けください。)

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