個人サロン経営者さんへ:帳簿付けが苦手なら必見!簡単なエクセル管理方法の手順

個人サロンを経営されている皆さん、日々の業務に加え、「帳簿付け」に苦手意識はありませんか?

お客様への施術や集客に時間を取られ、ついつい後回しにしてしまいがちなのがお金の管理かもしれません。

でも大丈夫です。

難しい会計ソフトを使わなくても、Excelを使えば個人サロンの帳簿付けは驚くほど簡単に、そして正確に行うことができます。

この記事では、「帳簿付けが苦手…」と感じているあなたが、今日からすぐに実践できるExcelを使った簡単な管理方法を、具体的な手順に沿ってご紹介します。

最後まで読めば、帳簿付けへの苦手意識がなくなり、お金の流れを把握できるようになるはずです。

ぜひ、読み進めてみてください。

  1. 個人サロンの帳簿付けが苦手でも大丈夫!超簡単なエクセル管理方法の全体像
    1. まずはこれだけ準備!Excelシートの基本構成を作る手順
      1. 帳簿って何?なぜ必要なの?
    2. 日々の取引を「日付順」に入力するだけの簡単な手順
    3. 残高を自動計算させる簡単な方法
  2. 個人サロンで記録すべきお金の種類:収入編
    1. 主な施術売上の記録方法
    2. 物販収入やその他の収入について
      1. 消費税の扱いはどうすればいい?
  3. 個人サロンで記録すべきお金の種類:支出編
    1. 仕入に関する主な支出とその記録
    2. 家賃や水道光熱費などの固定費の記録
      1. 家事按分(かじあんぶん)とは?
    3. 広告宣伝費や交通費、雑費など
  4. 帳簿付けが苦手と感じる理由と簡単な克服方法
    1. 完璧より「続けること」を目標に
    2. すぐにメモする習慣をつける
    3. 「お金の流れが見える楽しさ」を知る
  5. なぜExcelが個人サロンの簡単な帳簿管理に向いているのか
    1. 導入コストがほとんどかからない
    2. 自分の分かりやすいようにカスタマイズできる柔軟性
    3. 基本的な操作で十分対応できる簡単さ
  6. Excelでの簡単な帳簿付けを続けるためのちょっとしたコツ
    1. シートやファイル名を分かりやすく整理
    2. ドロップダウンリストで入力ミスを防ぐ
      1. ドロップダウンリストの作り方(簡単)
    3. 定期的なバックアップの習慣
  7. 簡単なExcel帳簿付けから次のステップへ
    1. 年間の集計や分析に活かす方法
    2. 確定申告に向けての準備
  8. まとめ

個人サロンの帳簿付けが苦手でも大丈夫!超簡単なエクセル管理方法の全体像

「結局、どうすれば簡単に帳簿付けできるの?」と一番知りたいのはその点でしょう。

まずは、個人サロンの帳簿付けをExcelで行う際の、最もシンプルで全体像を把握しやすい方法からご紹介します。

これは、複雑な機能を一切使わず、最低限の項目を入力していくだけで完成させる方法です。

まずはこれだけ準備!Excelシートの基本構成を作る手順

Excelを開いたら、新しいシートに以下の列項目を入力することから始めましょう。

これは、個人サロンの収入と支出を記録するための基本的な「お小遣い帳」のようなものです。

一番左の列から順に、「日付」「内容(摘要)」「収入」「支出」「残高」と入力します。

たったこれだけの項目で、日々の取引を記録し、お金の流れを追うことができるようになります。

難しく考えず、まずはこのシンプルな表を作成することに集中してください。

  • 日付:お金が動いた日を記録
  • 内容(摘要):どんな取引だったかを具体的に記録(例:施術売上、材料費)
  • 収入:お客様から受け取ったお金の金額
  • 支出:仕入や経費として支払ったお金の金額
  • 残高:その時点での口座や手元の現金残高

帳簿って何?なぜ必要なの?

帳簿(ちょうぼ)とは、日々の取引(お金のやり取り)を記録したノートやデータのことです。

個人事業主にとって帳簿付けは、事業の利益を計算したり、確定申告で税金を正しく納めたりするために法律で定められた義務です。

難しそうなイメージがあるかもしれませんが、この後ご紹介するExcelを使った方法は、特別な会計知識がなくても大丈夫なシンプルな方法です。

日々の取引を「日付順」に入力するだけの簡単な手順

作成したExcelシートの表に、お金の動きがあったらその都度、あるいは一日の終わりにまとめて入力していきます。

例えば、お客様から施術代として現金を受け取ったら、該当する日付の行に「日付」「施術売上」「受け取った金額」を「収入」の列に入力します。

「支出」の列は空欄にしておきます。

逆に、材料費として支払いをしたら、「日付」「材料費」「支払った金額」を「支出」の列に入力し、「収入」の列は空欄にします。

この際、「内容(摘要)」欄に「〇〇様施術代」「〇〇購入(シャンプー)」など、後で見返して何のお金か分かるように具体的に書くのがポイントです。

残高を自動計算させる簡単な方法

日々の入力を終えたら、その時点での「残高」を把握しましょう。

これもExcelなら簡単な計算式で自動化できます。

まず、最初の残高(開業資金など)を手入力します。

例えば、シートの3行目から入力を始めるとしたら、3行目の残高欄に最初の金額(例えば100,000)を直接入力します。

その次の行(4行目)からは、「一つ前の行の残高」に「その行の収入」を足し、「その行の支出」を引くという計算式を入力します。

具体的には、Excelのセルに「=E3+C4-D4」と入力します(E3は前の行の残高セル、C4はその行の収入セル、D4はその行の支出セル)。

一度この式を作ってしまえば、あとは下の行にコピーしていくだけで、入力するたびに自動で残高が更新されます。

これにより、いちいち電卓で計算する手間が省け、ミスも減らすことができます。

個人サロンで記録すべきお金の種類:収入編

日々の帳簿付けを行うにあたり、「どんなお金を記録すればいいの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

ここでは、個人サロンの収入として記録すべき主な項目を分かりやすく解説します。

これらをお金の出入りがあった際に、先ほど作成したExcelシートの「収入」欄に記録していきます。

主な施術売上の記録方法

個人サロンの収入のほとんどは、お客様への施術による売上です。

現金、クレジットカード、電子マネーなど、支払い方法に関わらず、お客様から対価として受け取った金額を全て記録します。

お客様一人ひとり、あるいはその日の合計売上をまとめて入力する方法がありますが、後で確認しやすいのはお客様ごとに分けて入力する方法です。

Excelの「内容(摘要)」欄には「〇月〇日 〇〇様 施術代」のように具体的に記録しておくと、後で特定の日の売上を確認したいときに役立ちます。

「収入」欄には、実際に受け取った金額を正確に入力してください。

物販収入やその他の収入について

施術売上以外にも、店販商品(シャンプーや化粧品など)の販売収入がある場合も、これも事業の収入として記録が必要です。

施術売上とは区別して「店販売上」などと内容欄に記入すると、後で収入の内訳を確認しやすくなります。

また、稀にあるかもしれませんが、セミナー講師料や原稿執筆料など、個人サロンの事業に関連するその他の収入があれば、それも忘れずに記録します。

どのような収入も、発生した日付と金額を正確に記録することが重要です。

消費税の扱いはどうすればいい?

多くの場合、お客様から受け取る施術代や物販の金額には消費税が含まれています。

最初は難しく考えず、お客様から受け取った合計金額をそのまま収入として記録して大丈夫です。

消費税の計算や申告は、ある程度の売上規模になったり、課税事業者になったりした際に必要になりますので、その時に改めて確認しましょう。

個人サロンで記録すべきお金の種類:支出編

事業を運営していく上で必ず発生するのが「支出」です。

これも漏れなく正確に記録することが、事業の成績を正しく把握し、税金を計算する上で非常に大切になります。

ここでは、個人サロンでよく発生する主な支出項目について解説し、どのようにExcelに記録するかをご説明します。

仕入に関する主な支出とその記録

施術に使う材料(薬剤、タオル、コットンなどの消耗品)や販売するための商品などの仕入にかかった費用は、個人サロンの大きな支出の一つです。

これらの代金を支払った日付、支払先、金額をExcelの「支出」欄に記録します。

「内容(摘要)」欄には「材料費(〇〇購入)」「店販商品仕入」など、何を購入したかが分かるように具体的に記載しましょう。

美容室ならカラー剤やパーマ液、エステサロンならオイルや化粧品などがこれにあたります。

家賃や水道光熱費などの固定費の記録

店舗の家賃、水道光熱費(電気、ガス、水道)、通信費(インターネット、電話)など、毎月定額または概ね定額で発生する費用も重要な支出です。

これらは「固定費」と呼ばれ、事業を継続する上で必ずかかる費用です。

支払った日付と金額を正確に記録し、「内容(摘要)」欄には「家賃(〇月分)」「水道光熱費」などと分かりやすく入力します。

自宅兼サロンの場合など、家事按分が必要な費用については、事業用として使った割合に応じた金額を支出として計上することになります。

家事按分(かじあんぶん)とは?

自宅の一部を仕事場として使っている場合、家賃や電気代、インターネット代など、プライベートと事業の両方で使っている費用があります。

これらの費用を、事業で使った割合に応じて経費として計上することを「家事按分」といいます。

例えば、全体の床面積のうちサロン部分が30%なら家賃の30%を経費にする、使用時間の割合で計算するなど、合理的な基準で按分します。

税務署に説明できるように、計算根拠を記録しておくことが大切です。

広告宣伝費や交通費、雑費など

集客のための広告費(SNS広告費、チラシ作成費など)やホームページの維持費、研修参加費、事業に関する書籍代、お客様への手土産代、交通費(仕入や研修移動)、銀行の手数料、消耗品(事務用品、清掃用品など)など、上記以外にも様々な支出が発生します。

これらも全て事業に必要な支出として記録が必要です。

それぞれ「広告宣伝費」「研修費」「書籍費」「接待交際費」「交通費」「支払手数料」「消耗品費」「雑費」など、内容が分かるような項目名で記録し、金額を入力します。

領収書やレシートは必ず保管しておき、入力内容と照合できるようにしておきましょう。

帳簿付けが苦手と感じる理由と簡単な克服方法

「帳簿付け、やっぱり苦手…」と感じてしまうのはなぜでしょうか?

その理由を理解し、具体的な対策を講じることで、苦手意識を克服し、継続できるようになります。

ここでは、苦手意識をなくすための考え方や習慣づくりについてご紹介します。

完璧より「続けること」を目標に

最初から完璧な帳簿を作成しようと意気込むと、少しのミスで嫌になってしまったり、記録漏れを恐れて始めるのが億劫になったりします。

まずは「毎日、あるいは週に一度は必ず記録する」という「続けること」を最大の目標にしましょう。

最初は項目が少し間違っていても、金額が多少ずれていても、まずは記録する習慣をつけることが大切です。

慣れてくれば自然と正確さも増してきます。

すぐにメモする習慣をつける

時間が経つと「あれ?これ何の支払いだっけ?」と忘れてしまいがちです。

そうならないために、お金の動きがあったら、その場で(難しければ一日の終わりなど区切りが良い時に)スマートフォンや簡単なメモ帳に記録しておく習慣をつけましょう。

後でまとめてExcelに入力する際に、このメモを見返せばスムーズに進められます。

すぐに記録する一手間が、後々の帳簿付けを格段に楽にしてくれます。

「お金の流れが見える楽しさ」を知る

帳簿付けは単なる義務ではありません。

適切に記録することで、一ヶ月の売上がいくらか、どんな費用にどれくらい使っているのか、というお金の流れが「見える」ようになります。

これは、今後の経営戦略を立てる上で非常に重要な情報源です。

「今月は広告費を多く使ったから、来月は集客の成果を注視しよう」「材料費を少し見直せないかな」など、具体的なアクションにつながるヒントが得られます。

この「見える楽しさ」を知ることが、帳簿付けを継続するモチベーションにつながります。

なぜExcelが個人サロンの簡単な帳簿管理に向いているのか

世の中には様々な会計ソフトがありますが、なぜ個人サロンの初心者にとってExcelが簡単で使いやすい方法としておすすめなのでしょうか。

ここでは、その理由をいくつかご紹介します。

導入コストがほとんどかからない

多くの個人サロンにとって、開業当初はできるだけコストを抑えたいものです。

Excelは、すでに多くのパソコンに搭載されているか、比較的安価に入手できるソフトウェアです。

高機能な会計ソフトのような初期費用や月額費用がほとんどかからないため、手軽に始められる点が大きなメリットです。

自分の分かりやすいようにカスタマイズできる柔軟性

会計ソフトはあらかじめ決められた入力項目や形式に従う必要がありますが、Excelは白紙のキャンバスのようなものです。

この記事でご紹介したように、必要最低限の項目だけで始めることも、慣れてきたら自分にとって分かりやすい項目を追加したり、デザインを調整したりと、自由にカスタマイズできます

自分のサロンの運営スタイルに合わせて、最も使いやすい形にできる柔軟性があります。

基本的な操作で十分対応できる簡単さ

複雑な会計処理を必要としない個人サロンの日常的な帳簿付けであれば、Excelの基本的な入力や簡単な合計計算(SUM関数など)ができれば十分対応できます。

高度な機能を使う必要がないため、Excelを使ったことがあればすぐに始められますし、初心者の方でも少し操作を覚えれば問題なく扱える簡単さがあります。

Excelでの簡単な帳簿付けを続けるためのちょっとしたコツ

Excelを使った帳簿付けは簡単ですが、継続するためにはいくつかの工夫を取り入れるとさらに効果的です。

ここでは、日々の入力や管理を楽にするためのちょっとしたコツをご紹介します。

シートやファイル名を分かりやすく整理

Excelファイルを作成したら、「〇〇サロン_2024年度帳簿」のように、ファイル名を分かりやすくつけましょう。

また、1年分の取引を1つのファイルで管理する場合、月ごとにシートを分けると見やすくなります。

シート名も「1月度」「2月度」のようにしておけば、すぐに目的の月のデータにアクセスできます。

整理整頓は、後でデータを見返す際の手間を減らしてくれます。

ドロップダウンリストで入力ミスを防ぐ

「内容(摘要)」や「費目」(材料費、広告費など)など、よく使う項目は繰り返し入力することになります。

これらの項目をあらかじめリスト化しておき、Excelの「データの入力規則」機能を使ってドロップダウンリストから選択できるようにすると、入力の手間が省けるだけでなく、入力ミスや表記ゆれを防ぐことができます。

これにより、後で集計する際もスムーズになります。

ドロップダウンリストの作り方(簡単)

1.別のシートなどに、リストに表示したい項目を縦一列に入力します。

2.帳簿シートで、ドロップダウンリストを設定したいセル(例:内容の列全体)を選択します。

3.Excelメニューの「データ」タブをクリックし、「データの入力規則」を選択します。

4.「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選び、「元の値」の欄に、手順1で作成したリストの範囲を指定します(例:Sheet2!$A$1:$A$10)。

5.「OK」をクリックすれば設定完了です。

定期的なバックアップの習慣

Excelファイルはパソコンの故障などでデータが失われる可能性があります。

日々の努力が無駄にならないよう、定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。

作成したExcelファイルをUSBメモリや外付けHDDにコピーして保存する方法や、インターネット上のストレージサービスを利用する方法があります。

例えば、Google DriveDropboxなどのクラウドサービスを使えば、ファイルを保存しておくだけで自動で同期・バックアップしてくれる機能があり便利です。

大切なデータを失わないための重要な対策です。

簡単なExcel帳簿付けから次のステップへ

Excelでの帳簿付けに慣れてきたら、さらに効率化したり、より詳細な分析をしたりすることにも挑戦できます。

ここでは、簡単な方法をマスターした後の、次のステップについて少しだけ触れておきます。

年間の集計や分析に活かす方法

月ごとのシートやデータをまとめて、年間の売上や支出を一覧できる集計シートを作成してみましょう。

ExcelのSUM関数を使えば簡単に合計額を計算できます。

さらに、グラフ機能を使えば、売上の推移や支出の割合などを視覚的に把握でき、経営状況の分析に役立てることができます。

「今月は売上が良かったけど、どんなサービスが人気だったか」「一番費用がかかっているのは何か」などが一目でわかるようになります。

確定申告に向けての準備

日々の帳簿付けは、年に一度の確定申告のために非常に重要です。

Excelで正確に記録していれば、申告に必要な年間売上高や経費の合計額をスムーズに算出できます。

簿記の知識がなくても、会計ソフト(有料の場合が多い)を使ったり、税理士に依頼したりする際に、Excelのデータがあれば話がスムーズに進み、コストを抑えることにもつながります。

まとめ

この記事では、個人サロンの帳簿付けが苦手な方に向けて、Excelを使った簡単で具体的な管理方法を手順に沿ってご紹介しました。

帳簿付けは、個人サロンの経営状況を把握し、将来の計画を立てるために欠かせない大切な作業です。

「苦手」という気持ちは多くの人が感じることですが、Excelを使えば難しい知識がなくても、日々の記録を継続することができます。

まずはこの記事でご紹介した簡単なExcelシートの作成から始め、お金の動きを記録する習慣をつけていきましょう。

完璧を目指さず、まずは「続けること」を目標にしてください。

日々の記録は、必ずあなたの個人サロン経営を助ける強力な武器となります。

簡単なExcel管理方法で、帳簿付けの苦手意識を克服し、自信を持ってサロン経営を進めていきましょう

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