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個人サロンの売上管理をエクセルで簡単に行うステップバイステップガイド

個人サロンを開業したけれど、日々の売上管理に頭を悩ませていませんか。

どんぶり勘定では、経営状況を正確に把握できず、将来の事業計画も立てられません。

この記事では、パソコン初心者の方でも安心して取り組めるように、身近なツールであるエクセルを使った売上管理の方法を、具体的な手順を追いながら一から丁寧に解説します。

無料テンプレートの紹介から、自分で管理表を作成する手順、さらには経営分析に役立つ便利な機能まで、この記事を読むだけで、今日からすぐに実践できる知識が身につきます。

エクセルでの売上管理をマスターして、あなたの個人サロンをさらに成長させる第一歩を踏み出しましょう。

目次

結論からお伝えします!個人サロンの売上管理はエクセルで今日から始められます

忙しい個人サロンのオーナー様のために、まず結論からお伝えします。

専門的な会計ソフトを導入しなくても、多くのパソコンに標準でインストールされているエクセル、あるいは無料で使えるGoogleスプレッドシートを活用すれば、売上管理は十分に可能です。

初期費用を抑えつつ、ご自身のサロンの状況に合わせた柔軟な管理体制を築くことができるのが、エクセル管理の最大の魅力です。

ここでは、なぜエクセルが個人サロンの売上管理に適しているのか、その理由と始めるための具体的な第一歩について解説します。

コラム:そもそも「どんぶり勘定」とは?

「どんぶり勘定」とは、お金の出入りを細かく管理せず、大雑把に把握することを指す言葉です。

個人事業主や小規模なビジネスで陥りがちですが、これでは正確な利益がわからず、気づかないうちに赤字になっている危険性も。

売上管理は、このどんぶり勘定から脱却し、健全な経営を行うための第一歩なのです。

なぜ高価なソフトではなくエクセルが個人サロンのスタートにおすすめなのか

個人サロンの開業当初は、できるだけコストを抑えたいと考えるのが自然です。

月額数千円から数万円かかる高機能な会計ソフトやサロン専用システムは、確かに便利ですが、売上規模がまだ小さい段階では固定費の負担が重くのしかかります。

その点、Microsoft Excelは、既にお持ちのパソコンに入っているケースが多く、追加費用なしで始められます。

もし持っていなくても、Googleアカウントさえあれば無料で利用できるGoogleスプレッドシートという強力な代替ツールがあり、基本的なデータ管理には十分すぎるほどの機能を備えています。

この記事を最後まで読むことであなたが達成できる未来の姿

もしあなたが今、売上の記録をノートに手書きしていたり、レシートの束を見てため息をついているなら、この記事を読み終える頃にはその悩みから解放されているでしょう。

あなたは、自分自身で作成した、または便利なテンプレートをカスタマイズしたエクセルの売上管理表を使って、日々の売上をスムーズに入力できるようになります。

さらに、どのメニューが人気なのか、リピート率の高い顧客は誰なのかといった、これまで感覚でしか掴めなかった情報が、データとして明確に見えるようになります。

これにより、効果的なキャンペーンを企画したり、より顧客満足度の高いサービスを提供したりといった、戦略的な経営判断が可能になるのです。

売上管理を始めるために本当に必要なものはたった二つだけです

個人サロンの売上管理をエクセルで始めるために、特別な機材や専門知識は必要ありません。

最低限必要なものは、文字通り「パソコン」と「エクセルソフト(またはGoogleスプレッドシート)」の二つだけです。

インターネットに接続できる環境があれば、無料テンプレートのダウンロードや、クラウド上でのデータ保存も可能になり、さらに便利になります。

難しく考えずに、まずはパソコンの電源を入れるところから始めてみましょう。

まずはここから!個人サロンの売上管理をエクセルで始める前の準備

本格的にエクセルでの売上管理をスタートする前に、いくつか準備しておくべきことがあります。

いきなりシート作成に取り掛かるのではなく、最初に目的と必要な情報を整理しておくことで、後々の作業が格段にスムーズになり、使いやすく長続きする売上管理表を作成できます。

ここでは、どのような情報を管理したいのかを明確にし、そのために必要なソフトウェアの準備について具体的に解説していきます。

どのような情報を管理したいのか目的を明確にすることが成功の鍵です

あなたが売上管理を通じて何を知りたいのか、目的をはっきりさせることが非常に重要です。

例えば、「毎月の売上総額を知りたい」だけなのか、それとも「どのメニューが一番人気か分析したい」「顧客ごとの利用金額を把握して優良顧客を見つけたい」のかによって、管理表に含めるべき項目は大きく変わってきます。

まずは紙に書き出すなどして、売上管理で達成したい目標をリストアップしてみましょう。

この作業が、後で解説する管理項目の選定に直結し、あなたのサロン経営にとって本当に価値のあるデータが集まる仕組みを作ることにつながります。

Microsoft ExcelかGoogleスプレッドシートかを選ぶポイント

売上管理に使用する表計算ソフトは、主に「Microsoft Excel」と「Googleスプレッドシート」の二択になるでしょう。

どちらも非常に高機能ですが、利用シーンを想像して選ぶのがおすすめです。

  • Microsoft Excel:オフラインでの作業に強く、高度な自動化機能も利用可能。既にお持ちのPCにインストールされている場合が多い。
  • Googleスプレッドシート無料で利用でき、データが自動でクラウドに保存されるためデータ消失のリスクが低い。スマホからのアクセスも容易。

コラム:Microsoft 365と買い切り版Excelの違いは?

Excelには、月額・年額で常に最新版が使えるサブスクリプション型の「Microsoft 365」と、一度購入すれば永続的に使える「買い切り版(パッケージ版)」があります。

常に最新の機能やセキュリティアップデートを受けたいならMicrosoft 365、初期費用だけで済ませたいなら買い切り版がおすすめです。

個人サロンの売上管理程度であれば、どちらのバージョンでも機能的に大きな差はありません。

日々の業務フローに売上データの入力を組み込むタイミングを決める

素晴らしい売上管理表を作成しても、データの入力が習慣化されなければ意味がありません。

日々の忙しい業務の中で、いつ売上データを入力するのか、あらかじめタイミングを決めておくことが継続のコツです。

例えば、「その日最後のお客様の施術が終わった直後」「営業終了後、レジ締めと同時」など、ご自身のワークスタイルに合わせてルール化しましょう。

一度習慣になってしまえば、5分もかからずに完了する作業です。

【無料】すぐに使える個人サロン向け売上管理エクセルテンプレートの紹介

一から自分で売上管理表を作成するのは大変だと感じる方のために、インターネット上には無料でダウンロードして使える便利なテンプレートがたくさん存在します。

これらのテンプレートを活用すれば、専門家が作成した見やすく機能的な管理表を、手間なく導入することが可能です。

ここでは、個人サロンの運営に特化した、あるいは応用しやすいおすすめの無料テンプレート提供サイトを具体的に紹介します。

ビジネス文書の宝庫bizoceanビズオーシャンで見つける売上管理表

bizocean(ビズオーシャン)」は、ビジネスで利用できる多種多様な書式やテンプレートを無料で提供している国内最大級のサイトです。

売上管理表だけでも数多くの種類が登録されており、「売上管理表 シンプル」「売上管理表 グラフ付き」といったキーワードで検索すれば、様々なデザインや機能のものが見つかります。

特に、シンプルな日別の売上管理表や、月次の集計とグラフが自動で作成されるようなテンプレートは、個人サロンの初心者オーナーにとって非常に使いやすいでしょう。

経理のプロが監修したテンプレートを活用する

「経理のミカタ」のような、経理や会計の専門家が運営する情報サイトでも、質の高いエクセルテンプレートが配布されていることがあります。

これらのテンプレートは、単に売上を記録するだけでなく、確定申告を見据えた項目設計になっていることが多いのが特徴です。

例えば、売上を「現金」「クレジットカード」などの支払方法別に記録できたり、簡単な経費入力欄が設けられていたりします。

信頼性の高いテンプレートを探している方におすすめです。

コラム:テンプレートのマクロに注意!

テンプレートの中には「マクロ」という便利な自動化機能が含まれているものがあります。しかし、マクロは便利な反面、ウイルスなどの悪意のあるプログラムが仕込まれている可能性もゼロではありません。

テンプレートをダウンロードする際は、提供元が信頼できるサイトかを確認し、Excelでファイルを開く際に表示される「セキュリティの警告」で「コンテンツの有効化」を安易にクリックしないように注意しましょう。

テンプレートを選ぶ際に注意すべき3つのチェックポイント

無料テンプレートは非常に便利ですが、ダウンロードする前にいくつか確認すべき点があります。

これらをチェックすることで、「ダウンロードしたけど使えなかった…」という事態を防げます。

  1. 対応バージョン:自分のExcelのバージョンで正しく動作するかを確認する。
  2. 信頼性:ウイルスなどのリスクを避けるため、信頼できるサイトからダウンロードする。
  3. カスタマイズ性:不要な項目を消したり、必要な項目を追加したりといった編集がしやすい、シンプルな構造のものを選ぶ。

【実践】自分だけの売上管理表をエクセルで作成する5つのステップ

テンプレートを使うのも良いですが、自分のサロンに100%フィットした売上管理表が欲しいなら、自作するのが一番です。

基本的な手順さえ押さえれば、驚くほど簡単に作成できます。

ここでは、新しいエクセルファイルを開くところから、実際にデータを入力して集計するまでを、5つの具体的なステップに分けて丁寧に解説していきます。

ステップ1 新しいシートを作成し売上管理に必要な項目名を入力する

まずはエクセルを開き、新しいブックを作成します。

1行目のA列から順に、管理したい項目名を入力していきましょう。

例:「日付」「顧客名」「担当者」「メニュー名」「単価」「割引」「合計金額」「支払方法」「備考」など、ご自身のサロンで管理したい項目を考えながら入力します。

ステップ2 データを入力しやすくするためにテーブル機能で見た目を整える

項目名を入力したら、その範囲を選択した状態で、エクセルのメニューから「挿入」タブをクリックし、「テーブル」を選択します。

すると、一行おきに色が付いた見やすい表に自動で変換されます。

このテーブル機能を使うと、後からデータを追加した際に自動で書式が適用されたり、並べ替えや絞り込みが簡単になったりするなど、多くのメリットがあります。

ステップ3 日々の売上データをテーブルに一行ずつ正確に入力していく

テーブルの準備ができたら、いよいよ日々の売上データを入力していきます。

2行目から、1件の売上ごとに1行を使って記録します。

特に、金額や日付は、後で集計や分析を行うために正確に入力することが重要です。

最初は面倒に感じるかもしれませんが、営業終了後のルーティンとして習慣化してしまいましょう。

ステップ4 簡単な計算式SUM関数を使って月間の合計売上を自動計算させる

手入力でデータを打ち込むだけでは、電卓で集計するのと変わりません。

エクセルの真価は自動計算にあります。

表の下の空いているセルに「=SUM(G:G)」のように入力すると、合計金額列(この例ではG列)の合計が自動で計算されます。

こう設定しておけば、新しい売上データを入力するたびに、合計金額が自動で更新されていくため、いつでも最新の月間売上を一目で確認できます。

コラム:SUM関数以外の便利な基本関数

売上管理ではSUM関数以外にも便利な関数があります。

  • AVERAGE関数:平均値を計算します。平均顧客単価を出すのに使えます。(例:=AVERAGE(G:G))
  • COUNTIF関数:特定の条件に合うセルの数を数えます。メニューごとの出数を把握するのに便利です。(例:=COUNTIF(D:D,”カット”))

これらも覚えておくと、分析の幅がぐっと広がります。

ステップ5 データのバックアップを定期的に行い万が一の事態に備える

せっかく入力した大切な売上データが、パソコンの故障などで消えてしまっては元も子もありません。

データのバックアップは必ず定期的に行うようにしましょう。

簡単なのはUSBメモリにコピーする方法ですが、おすすめはOneDriveGoogle Driveといった無料のクラウドストレージです。

クラウド上に保存しておけば、自動でバックアップが取られ、他のPCやスマホからもアクセスできて非常に便利です。

個人サロンの売上管理でエクセルに記録すべき必須項目とは

効果的な売上管理と経営分析のためには、どのようなデータを記録するかが非常に重要です。

ここでは、個人サロンの売上管理表を作成する上で、「これだけは最低限入れておきたい」という必須項目を具体的に解説します。

これらの項目を網羅することで、日々の売上記録が、単なる数字の羅列ではなく、未来の経営戦略を立てるための貴重な情報源に変わります。

コラム:物販の売上はどう管理する?

化粧品などの物販も行っている場合は、技術売上と物販売上を分けて管理するのがおすすめです。

「メニュー名」の項目に「商品A」のように入力するか、「売上区分」という新しい列を作り、「技術」「物販」と分けて入力できるようにすると、後でそれぞれの売上高を正確に把握でき、在庫管理にも役立ちます。

いつの売上かを示す日付とお客様を特定するための顧客情報

最も基本的で絶対に欠かせない項目が「日付」です。

これにより、日別、月別、年別の売上集計が可能になります。

また、「顧客名」も必須です。

顧客名を記録することで、どのお客様がいつ、どのようなサービスを利用したのかを追跡でき、リピート率の分析などに繋がります。

どのようなサービスが売れたかを把握するためのメニュー名と単価

メニュー名」と「単価」の記録は、どのサービスが収益の柱になっているかを分析するために不可欠です。

これにより、人気メニューや、逆にてこ入れが必要なメニューが明確になります。

単価を正確に記録することで、後の売上分析の精度が格段に向上します。

正確な売上金額を計算するための割引額と合計金額

キャンペーンやクーポンによる割引を適用した場合は、「割引」項目を設けることが重要です。

正規の単価から割引額を差し引いて、最終的な請求額である「合計金額」を算出します。

「合計金額」の列には、「=E2-F2」(単価のセル – 割引のセル)のような計算式をあらかじめ入力しておくと、入力ミスを防ぎ、効率化を図ることができます。

キャッシュフローを把握するための現金やカードなどの支払方法

お客様がどのような方法で支払いをしたかを記録する「支払方法」の項目も設けておきましょう。

具体的には、「現金」「クレジットカード」「QRコード決済」などです。

これを記録することで、手元の現金残高と帳簿上のお金の流れを正確に把握する、いわゆるキャッシュフロー管理に役立ちます。

また、クレジットカード決済などは手数料が発生するため、後で手数料の計算をする際にもこのデータが重要になります。

個人サロンの経営分析を効率化するエクセルの便利な機能

エクセルは単なるデータ入力ツールではありません。

入力したデータを様々な角度から分析し、経営に役立つ知見を引き出すための強力な機能が備わっています。

これらの機能を使いこなせば、データに基づいた的確な意思決定が可能になります。

売上金額の高い順に並べ替えるソート機能で優良顧客を見つけ出す

並べ替え(ソート)」機能は、特定の項目の値に基づいて、表全体の行を並べ替える機能です。

例えば、「合計金額」の列を「降順」(大きい順)で並べ替えれば、売上貢献度の高い顧客や高単価のメニューが一目瞭然になります。

これにより、リピート率の高い優良顧客を特定し、特別なキャンペーンを案内するなど、具体的なアクションにつなげることができます。

特定の情報だけを抽出するフィルター機能でメニュー別の売上を分析する

フィルター」機能は、膨大なデータの中から、特定の条件に合致するデータだけを抽出して表示する機能です。

例えば、「メニュー名」のフィルターで「トリートメント」を選択すれば、トリートメントに関連する売上データだけが表示されます。

これにより、特定のメニューの月間売上はいくらか、どのような顧客が利用しているのか、といった詳細な分析が簡単に行えます。

この機能は、キャンペーンの効果測定などにも非常に役立ちます。

ドラッグアンドドロップで集計表を自動作成するピボットテーブル

ピボットテーブル」は、エクセルの分析機能の中でも特に強力なツールです。

大量のデータを、専門知識なしに、ドラッグ&ドロップの簡単な操作だけで、様々な角度から集計・分析できます。

例えば、「行」に「メニュー名」、「値」に「合計金額」を配置するだけで、メニュー別の総売上集計表が瞬時に作成されます。

使いこなせば経営状況を多角的に可視化できるため、ぜひ挑戦してほしい機能です。

コラム:分析結果はグラフで可視化しよう!

ピボットテーブルなどで集計した結果は、そのまま表で見るだけでなく、グラフにするとさらに分かりやすくなります。

Excelの「挿入」タブから、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなどを簡単に作成できます。

月ごとの売上の推移を折れ線グラフにしたり、メニュー別の売上構成比を円グラフにしたりすることで、数字の羅列だけでは気づきにくい傾向や変化を直感的に捉えることができます。

個人サロンの売上管理をエクセルで行う際に陥りがちな失敗と注意点

手軽に始められるエクセルでの売上管理ですが、いくつかの注意点を押さえておかないと、後で「データがぐちゃぐちゃで使えない」「入力が面倒で続かない」といった失敗に陥りがちです。

あらかじめ注意点を知っておくことで、スムーズで継続可能な売上管理体制を築くことができます。

一つのセルに複数の情報を詰め込んでしまい後で分析できなくなる

よくある失敗が、一つのセルに複数の情報を入力してしまうケースです。

例えば、備考欄に「カットとカラー、次回予約も」と書いてしまうと、後で「カラーをした顧客」をデータとして抽出できません。

データ分析を考えるなら、「1セル=1情報」の原則を徹底することが重要です。

記録したい情報が増えた場合は、面倒くさがらずに新しい列を追加し、独立した項目として管理しましょう。

入力ルールが曖昧で表記ゆれが発生し正確な集計ができない

表記ゆれは、特に注意が必要な失敗例です。

例えば、メニュー名を「カラー」と「ヘアカラー」、顧客名を「髙橋」と「高橋」のように入力すると、エクセルはこれらを別のデータとして認識してしまいます。

これを防ぐには、エクセルの「データの入力規則」機能を使い、リストから選択する方式にすると効果的です。

これにより、表記ゆれを完全に防ぎ、正確な集計が可能になります。

コラム:「データの入力規則」の具体的な設定方法

表記ゆれを防ぐ「データの入力規則」は簡単に設定できます。

  1. 別のシートによく使うメニュー名(カット, カラー, パーマなど)のリストを作成します。
  2. 元のシートのメニュー名の列を選択します。
  3. 「データ」タブ → 「データの入力規則」をクリックします。
  4. 「入力値の種類」を「リスト」にし、「元の値」に先ほど作成したメニュー名リストの範囲を指定します。

これで、セルをクリックするとドロップダウンリストが表示され、そこから選ぶしかできなくなるため、入力ミスや表記ゆれを防げます。

データを入力するだけで満足してしまい経営改善に活かせていない

最ももったいない失敗が、毎日真面目にデータを入力しているにもかかわらず、そのデータを全く見返さず、経営に活かせていないケースです。

売上管理は、記録することが目的ではありません。

記録したデータから現状を分析し、問題点を発見し、次のアクションプランを立てることが本当の目的です。

月に一度は必ずデータを見返す時間を設け、数字の動きを視覚的に捉える習慣をつけましょう。

【番外編】スマートフォンだけで個人サロンの売上管理はできるのか

「自宅にパソコンがない」「外出先や移動中にサッと売上を確認・入力したい」という方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、スマートフォンやタブレットだけでも、エクセル(Googleスプレッドシート)を使った売上管理は可能です。

ここでは、スマホをメインで活用したい方向けに、具体的なアプリやクラウドサービスの活用方法について解説します。

ExcelモバイルアプリやGoogleスプレッドシートアプリを活用する

MicrosoftもGoogleも、スマートフォン向けに無料のオフィスアプリを提供しています。

「Excel モバイルアプリ」や「Googleスプレッドシート アプリ」をスマホにインストールすれば、パソコンで作成したファイルとほぼ同じように、閲覧や編集が可能です。

日々の売上データを一件ずつ入力したり、出先で売上状況を確認したりするには十分な機能を備えています。

OneDriveやGoogle Driveでデータを同期しどこからでもアクセスする

スマホで売上管理を完結させる鍵となるのが、クラウドストレージです。

パソコンで作成したExcelファイルを、OneDriveGoogle Driveに保存しておきましょう。

そうすれば、同じアカウントでログインするだけで、スマートフォンやタブレットのアプリから、いつでも最新のファイルにアクセスして編集できます。

場所を選ばずにシームレスなデータ管理が実現します。

エクセル管理が難しいと感じた時のための売上管理アプリや会計ソフト

エクセルでの管理は自由度が高い反面、数式の設定や表のメンテナンスを自分で行う必要があります。

もし、それがどうしても苦手だと感じたり、事業が成長してより高度な管理が必要になったりした場合には、専門のツールに乗り換えるのも賢明な判断です。

ここでは、エクセルからのステップアップとして考えられる、個人サロン向けの便利な売上管理アプリやクラウド会計ソフトをいくつか紹介します。

予約管理から売上管理まで一元化できるSTORES 予約やSquare 予約

STORES 予約」や「Square 予約」といったサービスは、単なる予約システムではありません。

予約受付、顧客管理、事前決済、そして日々の売上管理までを一つのプラットフォームで完結できるのが大きな魅力です。

手入力の手間が大幅に削減され、ヒューマンエラーも防げます。

顧客数が増えてきたサロンにとっては非常に有効な投資となるでしょう。

確定申告までを視野に入れたクラウド会計ソフトfreeeやマネーフォワード

日々の売上や経費の入力から、最終的なゴールである確定申告書類の作成までをスムーズに行いたいのであれば、「freee会計」や「マネーフォワード クラウド」といったクラウド会計ソフトの導入がおすすめです。

これらのソフトは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳を提案してくれます。

日々の取引を入力していくだけで、専門的な会計書類が自動で作成され、確定申告が楽になります。

コラム:サロンボードも強力な選択肢

美容室・サロン向けのサービスとして有名な「サロンボード(SALON BOARD)」も忘れてはいけません。

ホットペッパービューティーと連携した予約・顧客管理はもちろん、レジ機能や売上集計・分析機能も非常に充実しています。

ホットペッパービューティーに掲載している、または掲載を検討しているサロンにとっては、最も連携がスムーズで強力なツールと言えるでしょう。

ツールを選ぶ際に最も重視すべきは日々の操作が簡単で継続できるか

様々な高機能なツールがありますが、選ぶ上で最も大切な基準は「あなたがストレスなく毎日使い続けられるか」という点です。

多くのサービスでは無料のお試し期間が設けられています。

いきなり契約するのではなく、まずはいくつかのサービスを実際に触ってみて、画面の見やすさ、入力のしやすさなどを比較検討し、ご自身の感覚に最もフィットするものを選ぶようにしましょう。

まとめ:個人サロンの売上管理をエクセルで成功させビジネスを成長させよう

この記事では、個人サロンのオーナーが今日から実践できる、エクセルを使った売上管理の方法を網羅的に解説してきました。

最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが、一つ一つのステップは決して難しいものではありません。

最後に、これまでの内容を振り返り、あなたのサロン経営を成功に導くための最も重要な心構えをお伝えします。

まずは簡単なテンプレートから始めて自分流にカスタマイズしていくことが大切です

完璧な売上管理表を最初から作ろうと気負う必要はありません。

まずはこの記事で紹介したような無料テンプレートをダウンロードして、実際に使ってみることから始めましょう。

その都度、列を追加したり、名前を変更したりして、少しずつあなたのサロンの現実に合わせた形にカスタマイズしていくことが、無理なく継続する一番のコツです。

売上管理は守りではなく攻めの経営判断を行うための強力な武器です

売上管理は、単にお金の出入りを記録するだけの「守り」の作業ではありません。

蓄積されたデータを正しく分析することで、「どのメニューに力を入れるべきか」「どんなお客様を大切にすべきか」といった、未来の売上を伸ばすための「攻め」の経営判断が可能になります。

数字という客観的な事実に基づいて戦略を立てることで、あなたの個人サロンは着実に成長していくことでしょう。

今日からできる小さな一歩があなたの個人サロンの輝かしい未来を作ります

この記事を読んで「やってみよう」と思っていただけたなら、ぜひ今日、この後すぐにエクセルを開いてみてください。

新しいシートに項目を打ち込む、テンプレートを探してみる、どんな小さな一歩でも構いません。

その行動が、どんぶり勘定から脱却し、あなたのサロンをデータに基づいて運営する経営者へと変える、記念すべき第一歩となります。

エクセルという身近なツールを味方につけて、お客様からも愛され、しっかりと利益も出せる、理想の個人サロンを築き上げていってください。

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