【簡単４ステップ】自宅サロンの【開業届】の出し方！手続きの具体的な流れ

自分の空間で好きな仕事ができる喜びを感じている一方で、「開業届って聞くけど、自宅でも必要なのかな？」「手続きが難しそう…」と不安な気持ちになっているかもしれません。

この記事では、自宅サロンを始めたばかりのあなたが、税務署への開業届提出をスムーズに完了できるよう、必要な情報をギュッとまとめました。

難しそうな専門用語は使わず、具体的な手順を４つの簡単なステップでお伝えするので、ぜひ最後まで読んで、安心して開業の一歩を踏み出してください。

開業届を出すための準備を具体的に始めるステップ

開業届の手続きを始める前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。

この準備をしっかり行うことで、その後の書類作成や提出がグッと楽になります。

まずは、自宅サロンの開業に関する基本的な事項を整理しましょう。

自宅サロンとして開業届の手続きを始める前に確認すること

あなたが自宅で始めたサロンは、お客様から継続的にサービス提供の対価として収入を得ていますね。

これは税務の世界では「事業」とみなされます。

個人が事業を開始した際に、税務署に「事業を始めましたよ」と知らせるための書類が「個人事業の開業・廃業等届出書」、通称「開業届」です。

法律上は事業開始から1ヶ月以内に提出することとされています。

自宅で開業した場合でも、店舗で開業した場合でも、事業であることに変わりはありません。

所得税法で定められた個人事業主として活動していくための最初の手続きなのです。

自宅サロンとして決めておくべき基本的な事業情報

開業届には、あなたの事業に関する基本的な情報を記載する欄があります。

書類を書き始める前に、以下の項目について具体的に決めておくとスムーズです。

1. 屋号（サロン名）：例えば「Relaxing Space [あなたの名前]」「Beauty Salon [地名]」など。必ずしも必要ではありませんが、あると事業らしくなります。
2. 事業の所在地：自宅サロンの場合は、基本的に自宅の住所になります。郵便物が届く正確な住所を把握しておきましょう。
3. 事業の概要：どのようなサービスを提供するのかを具体的に書きます。「フェイシャルエステ」「ボディマッサージ」「ネイルケア」「リフレクソロジー」など、分かりやすく表現しましょう。
4. 開業日：実際に自宅サロンとして営業を開始した日を決めます。最初のお客様を受け付けた日や、事業用のブログを開設した日など、ご自身で明確に決められます。

これらの情報が整理できていれば、開業届の記載はすぐにできます。

手続きに必要なものや情報を事前にリストアップする

開業届を作成し、提出するために手元に準備しておきたいものや情報があります。

以下のリストで確認しておきましょう。

• マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載された通知カード
• 運転免許証や健康保険証などの本人確認書類（マイナンバーカードがない場合）
• 印鑑（個人の認印で大丈夫です）
• 先ほど整理した「屋号」「事業の所在地（自宅住所）」「事業の概要」「開業日」などの情報

これらの情報やものがすぐに取り出せるようにしておくと、手続きの途中で慌てずに済みます。

開業届の用紙を入手するための具体的な方法を詳しく解説

開業届の用紙を手に入れる場所はいくつかあります。

ご自身の都合に合わせて、最適な方法を選びましょう。

ここでは、代表的な用紙の入手方法を具体的にお伝えします。

税務署の窓口で開業届の用紙を直接受け取る方法

最も昔からある方法が、お近くの税務署に行って直接用紙をもらう方法です。

税務署に行ったら、受付で「開業届の用紙をください」と伝えましょう。

その場で手続きについて簡単な質問をすることも可能なので、不安な点を解消したい場合は有効な方法です。

ただし、税務署は平日しか開いていないため、行くことができる時間があるか確認が必要です。

国税庁のホームページから開業届の用紙をダウンロードする方法

自宅にいながらいつでも用紙を手に入れられる便利な方法が、国税庁のホームページからダウンロードすることです。

「国税庁 開業届 用紙」といった言葉で検索すると、用紙のダウンロードページが見つかります。

個人事業の開業・廃業等届出書（様式）という名前で提供されています。

国税庁のホームページからPDFファイルをダウンロードし、ご自宅やコンビニエンスストアなどで印刷して使用します。

用紙をダウンロードして自宅で印刷する際の具体的な注意点

国税庁のホームページから用紙をダウンロードして印刷する場合は、いくつか気をつけたい点があります。

まず、必ずA4サイズで印刷してください。

用紙の向きや拡大率を間違えないように、等倍で印刷することが重要です。

印刷がかすれていたり、文字が途中で切れていたりしないか確認し、もし自宅のプリンターで綺麗に印刷できない場合は、コンビニのネットプリントサービスなどを利用するのも良い方法です。

自宅サロンとして開業届の各項目を正確に書く具体的な手順

開業届の用紙が手に入ったら、いよいよ実際に記入していきます。

各項目について、自宅サロンの場合はどのように書けば良いのかを具体的に見ていきましょう。

初めてでも迷わないように、順番に解説します。

個人情報や事業所の所在地を正確に記入する具体的な方法

開業届の用紙の一番上の部分に、あなたの住所、氏名、生年月日などの個人情報を記入します。

フリガナも含めて、正確に記載してください。

「事業所又は納税地」という欄には、自宅サロンの所在地、つまりご自身の自宅住所を記載します。

都道府県からマンション名や部屋番号まで、郵便物が正確に届くように省略せずに書きましょう。

電話番号も、連絡が取れる番号を記載します。

自宅サロンの屋号や事業内容などを具体的に記載するポイント

「屋号」の欄には、あなたが決めたサロン名を記入します。

特に屋号を使わない場合は空欄でも問題ありません。

「事業内容」の欄は、あなたが自宅サロンで行うサービスを具体的に記載します。

例えば、「フェイシャルエステ及びボディマッサージの提供」「ネイルケアとジェルネイルの施術」など、誰が読んでも分かるように簡潔に書きましょう。

漠然とした表現ではなく、具体的なサービス名を入れるのがおすすめです。

所得の種類や開業日などその他の項目を正しく埋める方法

開業届の用紙の中ほどに、「所得の種類」や「開業・廃業等日」を記載する欄があります。

自宅サロンとして得られる収入は、通常「事業所得」に該当します。

そのため、「所得の種類」は「事業所得」に〇をつけるのが一般的です。

「開業・廃業等日」の欄には、先ほど準備で決めた自宅サロンの開業日を記載します。

その他の項目も、指示に従って間違いのないように記入を進めます。

最後に、忘れずにマイナンバーを記載する欄があるので、マイナンバーカードなどを確認しながら正確に記入してください。

完成した開業届を税務署へ提出する具体的な方法の案内

開業届の記入が終わったら、いよいよ税務署に提出するステップです。

提出方法はいくつかありますので、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

それぞれの具体的な方法とポイントをご紹介します。

管轄の税務署の窓口へ開業届を持参して提出する方法

完成した開業届を、あなたの自宅住所を管轄する税務署の窓口に直接持って行って提出する方法です。

税務署の場所が分からない場合は、国税庁のホームページなどで調べられます。

提出する際には、提出用とは別に控えも用意しておくと良いでしょう。

窓口で提出する際に「控えに受付印をお願いします」と伝えれば、その場で日付入りの受付印を押してもらえます。

この控えは、提出したことの証明になる重要な書類です。

開業届を税務署へ郵送して提出する具体的な手順

税務署に行く時間が取れない場合は、郵送で提出することも可能です。

作成した開業届（提出用）に加えて、控え用としてもう一部コピーしたものを用意します。

そして、控えを返送してもらうための返信用封筒（切手を貼り、ご自身の宛名を記載したもの）を同封します。

これらをまとめて、管轄の税務署宛てに郵送します。

郵送の場合、控えが手元に戻ってくるまでに少し時間がかかりますが、自宅から手軽に手続きできるメリットがあります。

e-Taxを利用して開業届をオンラインで提出する方法

マイナンバーカードとICカードリーダー（またはマイナンバーカード対応スマートフォン）をお持ちであれば、e-Tax（国税電子申告・納税システム）を利用してオンラインで開業届を提出することも可能です。

e-Taxのホームページから手続きを進めることができます。

この方法なら、税務署に行く手間も郵送代もかからず、自宅にいながら手続きを完了できます。

ただし、事前にe-Taxの利用開始手続き（マイナンバーカードの読み取りや利用者情報の登録など）が必要になります。

開業届はなぜ自宅サロン経営に必要で出すべきなのかについて

「自宅でこっそりやるだけだから、開業届なんていらないんじゃないの？」と考えてしまうかもしれません。

しかし、自宅サロンでも継続的に事業を行うのであれば、開業届を提出することには税務上の重要な意味と、経営上のメリットがあります。

その必要性について具体的にお話ししましょう。

自宅サロンでも事業として継続するなら提出が必要な理由

自宅の一室を利用しているとしても、あなたがお客様から料金をいただき、継続的にサービスを提供している活動は「事業」です。

日本の税金制度では、個人が事業で得た所得に対して「所得税」がかかります。

開業届は、あなたが個人事業主として所得税の対象となる事業を開始したことを税務署に知らせるためのものです。

これにより、税務署はあなたの事業の存在を把握し、適切な税金の手続き（確定申告など）を促すことができます。

法的な提出義務がある書類なのです。

開業届を出すことで自宅サロンが得られる具体的なメリット

開業届を提出し、個人事業主として認められると、様々なメリットを享受できるようになります。

最も大きなメリットの一つが、確定申告で「青色申告」を選択できるようになることです。

青色申告にすると、一定の条件を満たせば最大65万円の特別控除が受けられたり、赤字を翌年以降に繰り越せたりと、税金面で非常に有利になります。

また、事業用の銀行口座を開設しやすくなったり、事業主向けの融資や補助金を受けやすくなったりする可能性もあります。

社会的な信用を得る上でもメリットがあると言えます。

開業届を出さない場合に考えられるリスクや注意点

開業届は提出義務がありますが、提出しなくてもすぐに罰則が科されるわけではありません。

そのため、開業届を出さずに事業を続けている方も一部にはいます。

しかし、事業で収入を得ているにも関わらず、税務署にその事実を知らせないままでいると、後々問題になる可能性があります。

税務調査などによって無申告が発覚した場合、過去に遡って税金を納めるように指導されるだけでなく、延滞税や無申告加算税といったペナルティが課されることがあります。

また、先述した青色申告のメリットを受けることができないため、結果的に税金を多く納めることになる可能性も高いです。

自宅サロンで開業届を出す際の気になる注意点やデメリット

自宅を事業所として開業届を出す場合、特有の不安や気になる点があるかもしれません。

特に「自宅の住所が公開されるのでは？」といった点は多くの方が気にされます。

ここでは、自宅サロンならではの開業届に関する注意点や、知っておくべきデメリットについて具体的に解説します。

自宅住所の記載に関する不安を解消するための知識

開業届に自宅住所を記載することになりますが、その情報が一般に公開されることは基本的にありません。

開業届は税務署に提出する書類であり、その情報が税務署から第三者へ無断で提供されることはありませんので安心してください。

ただし、あなたが確定申告を行うことで、税務署はあなたの所得や事業内容を把握します。

自宅を事業所として登録すること自体が、すぐにご近所に知られるといったことに直結するわけではありません。

もし不安が拭えない場合は、税理士などの専門家に相談してみるのも良いでしょう。

賃貸物件やマンションで開業届を出す場合の注意点

賃貸アパートやマンション、あるいは分譲マンションの一室を自宅サロンとして利用する場合、建物の管理規約や賃貸借契約に注意が必要です。

住居専用として契約している場合、事業利用が禁止されていることがあります。

開業届を税務署に出すこと自体は問題ありませんが、自宅サロンとしての活動自体が契約違反にならないかを事前に必ず確認してください。

規約に違反すると、退去を求められるなどのトラブルに発展する可能性もあります。

事前に管理会社や大家さんに相談しておくのが最も安全です。

家族や世帯主への影響について理解しておくこと

自宅で開業届を出し、個人事業主として事業所得を申告しても、同居している家族や世帯主の税金に直接的な影響が出ることは基本的にありません。

ただし、あなたが事業で利益を出すと、世帯全体の所得としては増えることになります。

特に、あなたが夫や親などの扶養に入っている場合、事業所得の金額によっては扶養から外れる可能性があります。

扶養を外れると、世帯主の税金が増えたり、あなたの健康保険や年金の加入先が変わったりすることがあります。

事前にご家族と話し合い、扶養の条件などを確認しておくことをお勧めします。

開業届と一緒に提出を検討すべきその他の書類について

開業届の手続きを行う際に、同時に提出しておくとその後の税務処理がよりスムーズになったり、大きなメリットを受けられたりする書類があります。

特に、税金面でお得な「青色申告」を選びたい場合は、開業届と合わせての提出がおすすめです。

ここでは、一緒に提出を検討すべきその他の書類について具体的にご紹介します。

青色申告を選択するための申請書の具体的な案内

将来的にしっかりと帳簿をつけて節税したいと考えているなら、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出することをおすすめします。

この申請書を提出し、承認されることで、確定申告の際に青色申告で申告できるようになります。

青色申告承認申請書は、開業日から2ヶ月以内に提出する必要があります。

開業届と一緒に提出するのが一番忘れにくく確実です。

国税庁のホームページからダウンロードすることも、税務署でもらうこともできます。

青色申告承認申請書の提出が推奨される理由とメリット

青色申告承認申請書を開業届と同時に提出することには明確なメリットがあります。

最も大きな理由は、開業した年の確定申告から青色申告を適用できるようになるからです。

もし開業届だけ提出して、後から青色申告承認申請書を出し忘れたり、期限を過ぎてしまったりすると、その年は白色申告で申告することになり、青色申告の節税メリットを受けることができません。

自宅サロンでしっかりと利益を出して、賢く税金対策をしたいなら、この申請書も開業届とセットで出すことを忘れないようにしましょう。

給与支払事務所等の開設届出書が必要な場合

現時点では一人で自宅サロンを経営しているかもしれませんが、将来的にご家族に手伝ってもらって給与を支払ったり、従業員を雇ったりする可能性があるかもしれません。

もし家族や従業員に給与を支払う予定がある場合は、開業届とは別に「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出する必要があります。

これは、あなたが給与を支払う事業主であることを税務署に知らせるための書類です。

給与の支払いを開始する日から1ヶ月以内に提出が必要です。

開業届提出後の自宅サロン経営における次のステップ

無事に開業届の提出を終えたら、あなたは晴れて個人事業主です！

これで税務上の手続きの第一歩は完了しました。

しかし、自宅サロン経営をスムーズに進めていくためには、開業届提出後にもいくつかの重要なステップがあります。

ここでは、その後の具体的な行動についてお伝えします。

開業届の控えを大切に保管することの重要性

税務署に開業届を提出した際、窓口で提出した場合はその場で、郵送やe-Taxの場合は後日、受付印が押された控えが手元に戻ってきます。

この控えは、あなたが個人事業主として正式に開業したことを証明する公的な書類です。

事業用の銀行口座を開設する際や、事業関連の契約、各種補助金や融資の申請時などに、開業したことの証明として提出を求められることがあります。

非常に重要な書類ですので、紛失しないように大切に保管しておきましょう。

事業用の銀行口座を開設する手続きの案内

自宅サロン経営のお金の管理を分かりやすくするために、プライベートで使っている口座とは別に、事業専用の銀行口座を開設することをお勧めします。

開業届の控えがあれば、個人名義の口座とは別に「屋号＋氏名」といった名義で口座を開設できる場合があります（金融機関によります）。

事業の売上金の入金や経費の支払いをすべてこの口座で行うようにすれば、お金の流れが明確になり、確定申告の際の集計作業が格段に楽になります。

多くの銀行で事業用口座の開設が可能です。

日々の売上や経費の記録を始めることの重要性

開業届を提出し、特に青色申告を選択した場合は、日々の取引を記録する「記帳」が義務付けられます。

いつ、誰に、いくら売上があったのか、どのような経費（材料費、家賃の一部、水道光熱費の一部など）がかかったのかを正確に記録していきます。

記帳の方法には、会計ソフトを使う、エクセルで管理する、手書きの帳簿をつけるなど様々な方法があります。

最初は慣れないかもしれませんが、毎日の習慣にすることで、確定申告の時期に慌てずに済みますし、ご自身の事業の状況を正確に把握できるようになります。

まとめ

この記事では、自宅サロンを始めたばかりのあなたが、税務署への開業届提出を迷わず行えるよう、具体的な流れを４つのステップに分けて詳しく解説しました。

初めての税務手続きで不安もあったかもしれませんが、一つずつ確認しながら進めれば必ず完了できます。

自宅サロンの開業届は怖くない！簡単な手続きの流れを再確認

自宅サロンの開業届の手続きは、実は思っているよりもずっとシンプルです。

「１．準備」「２．用紙の入手」「３．記入」「４．提出」というたった４つのステップを順番に進めるだけです。

この記事でご紹介した具体的な手順を参考に、落ち着いて一つずつクリアしていきましょう。

もし途中で分からないことが出てきても、税務署に電話で問い合わせることも可能です。

開業届を出すことは自宅サロン経営を軌道に乗せる第一歩

開業届を出すことは、単なる義務的な手続きではありません。

あなたが自宅サロンを本格的な個人事業としてスタートさせた証であり、今後の経営を安定させ、成長させていくための大切な第一歩です。

青色申告による税金面のメリットや、事業用口座の開設、日々の記帳習慣を身につけることなど、開業届を提出したことで得られるメリットはたくさんあります。

この記事があなたの自宅サロン経営の知恵袋になることを願って

自宅サロンの開業届に関する手続きは、この記事で解説した具体的な流れに沿って行えば、初心者の方でも必ず完了できます。

この記事が、あなたが自宅サロンを始める上で感じていた不安を解消し、最初の一歩を自信を持って踏み出すための一助となれば幸いです。

今後のあなたの自宅サロン経営が成功することを心から応援しています！